一汁一菜でよいという実践

信州のめぐる四季のなかで食と食まわりを坦々と記録する日々。余裕のない日は一汁一菜以下、そうでない日はそれなりに。

渋柿大作戦! 

青木村は、もうすぐ最低気温が0℃を割り込みます。

山の木々はきれいに色づいて、初冬の気配が濃くなってきています。

 

 

柿の季節です。

 

 

あちこちのお宅に柿の木はあって、昨年もたくさんいただいたのでした。

 

 

今年は、村内の友人Yさんから「渋柿がたくさん生ったんだけど、いらない?」と声をかけていただいて、いそいそと取りに伺いました。

 

立派な柿の木で、びっくりするほど実が生っていました。

あらかじめ枝ごと切ってくださっていて、それをレジ袋に3袋分、ずっしりいただいて帰りました。

 

Yさんからは、「干し柿か、焼酎やブランデーに浸して甘くさせるか」という食べ方を教わりました。

 

せっかくなので、干し柿に初挑戦することに。

 

柿さんたちは待ってくれませんので、時間に余裕のある日の午前中に一気呵成に作業を進めます。

 

 

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わたしが剥いて……

 

 

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夫が麻ひもに結わえていく。

 

連係プレーです。

 

 

Yさんに「素手で剥くと渋がすごいから手袋したほうがいいよ」とアドバイスをいただいていましたが、手袋がなかったので素手でやってしまいました。

鋼の包丁だったこともあってか、鉄分と反応した渋で、包丁と手がどんどん黒くなっていきます。

それでも、ひたすら剥いていく作業は心が無になって、楽しい。

 

夫と他愛もないおしゃべりをしながら、長男に写真を撮ってもらいながら。

こういう季節のしごとはいいものですね。

 

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干し柿は、毎日手で揉むと柔らかく仕上がるのだそうです。

Yさんが教えてくれました。

表面が乾いて触れるようになったら、実践してみたいと思います。

 

 

すでに熟柿(じゅくし)になりかけていたものが何個かあったので、それはよけて柿酢にすることにしました。

 

ヘタと汚れを取り、容器の中に入れていきます。

入れるときは、ヘタがあったほうを下にします。

フタは密閉せず、ほこりよけの紙を巻いて、あとはこのまま冷暗所で放置するだけ。

3か月でお酢になるそうです。

 

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きれいな色ですね。

 

 

柿で酢が作れることを知ったのは、滋賀県は信楽にある「森の宿 いろり~な」にて。

宿主のMさんが、樽の中で作っている柿酢を見せてくれたのでした。

 

 

柿はすごいですね。

甘柿はそのまま食べてよし、渋柿なら干し柿に、葉はお茶に、木は良質のゴルフクラブに(パーシモンクラブってやつですね)、家具や建具に塗って使う防腐効果のある柿渋にもなります。

 

昔、マンガ『美味しんぼ』で仙台駄菓子を取り上げていた回がありました。

老舗の店主が口にした「駄菓子の甘さはつるし柿が基準」という言葉が印象に残っています。

 

柿は東アジア固有種で、海外では「KAKI」で通用するようですね。

 

稲も、お米を食べるほかに、かつては藁が生活の重要な道具に変身していました。

稲と柿は、日本の暮らしに深く結びついている植物なのかもしれませんね。

 

 

さてさて、干し柿と柿酢、どんな仕上がりになるのやら。

 

またレポートいたします!