シングルタスクだけどないと困る台所道具《前編》
台所道具は、見ているだけで楽しいですねぇ。
東京は浅草の近くにある「合羽橋道具街」なんかは、一日いても飽きません。
海外へ出かけたときは、道具街があれば見に行きます。
ひとつの道具でいろいろに使える「多用途」「マルチタスク」な道具は重宝します。
とはいえ、これしかできないけどあると本当に助かる! という「シングルタスク」な道具もまた台所仕事の大事なパートナー。
あまり道具を増やしたくないわたしが悩みに悩んで買い、そして繰り返される容赦ない“選抜”を生き延びてきた「シングルタスクな道具たち」をご紹介していきましょう。
①キャップ取り
これは、調味料などのビンのプラスチックキャップを取る道具です。
最初見たときは、それだけのために買うのはバカバカしいと思っていました。
こういう便利グッズは、思ったほど使えないというのもよくある話で。
ですが、プラキャップって、取るのがすごーーーーく大変なんです。
生活クラブ生協ではリユースビンが多かったので、取れるものなら取ってしまいたかったということもあります。
そこで、思い切って買ってみました。
すると、気持ちいいほどムニッとプラキャップが取れるのです!
プラが硬いとたまに苦戦することもありますが、今のところ連勝中です。
ビンの中もよりきれいにすすげるし、小さなことですがこういうところでストレスがなくなるのは結構大きいです。
買ったのは生活クラブ生協の雑貨カタログでしたが、ネットで探すと同じようなものがいろいろあります。
②竹製の泡だて器
うちでは泡だて器と呼んでいますが、「米とぎ棒」として売られていたものです。
水が冷たい時期にお米をとぐための道具ですね。
ホワイトソースを作るとき、ダマにならないようにかき混ぜるには泡だて器がいちばんです。
ただ、普通の金属製の泡だて器だと鍋肌を傷つけたり、金っ気が出たりするような気がして、なかなか使えませんでした。
木製の泡だて器はないのだろうか? とふと思い立って探したら、竹製品を扱うサイトでこれを見つけました。
かき混ぜる部分が竹で、柄は木製です。
使ってみたところ、仕上がりは上上。
気兼ねなくかき混ぜられて、ダマにもなりません。
ただ、ひとつだけ難点が。
柄のほうが重いために、鍋に入れて手を離すとひっくり返って中身をはね散らかしてしまうことがあるのです。
それが改良されれば買い直します!
買ったのはこちらのサイトです↓
③蒸しバサミ
セイロや蒸し器で皿ごと蒸したものを取り出すための道具です。
セイロや蒸し器は深さがあるし、何より熱々なので、中のものを取り出すのに実はけっこう苦労するのです。
これは、香港の道具街で買いました。
つくりがちょっといい加減でゆがんでいますが、使うたびに香港を思い出すのは素敵なおまけです。
ネットでは「茶碗蒸しホルダー」で検索するといろいろ出てきます。
これも用途はひとつだけですが、あると本当に便利だな~といつも感心してしまいます。
④スケッパー
これはそれこそ合羽橋道具街で買い求めたものです。
マトファーというフランスの製菓・調理道具メーカーのものです。
ハードタイプとソフトタイプ(要は、しなるかしならないか)があり、これはハードタイプです。
耐熱性があるのが特徴かな?
パンを分割するときにも使っていますが、我が家でもっとも出番が多いのは、切った材料をまな板から移動させるときです。
あとは、ボウルの中身をこそげ取りたいとき。
これでささっと寄せてすくえば、細かく切った野菜もボロボロこぼれずに移動させることができます。
このアイデアは建築家の中村好文さんがエッセイか何かで紹介していて、すぐに真似したのでした。
中村さんご自身も、シェフが使っているのを見て「これは!」と思ってすぐ真似したそうです。
マトファーはブランド力があってモノがいいせいかお高めです。
ネットで探せば別ブランドでもっと安価なものがあるので、探してみて下さい。
ハードタイプかソフトタイプかは、目的に合わせて選ぶといいと思います。
こそげとりたい、集めたいという場合はソフトタイプ、スケッパーとして切る作業をしたいならハードタイプがよさそうです。
⑤ペッパーミル(こしょうひき)
ペッパーミルで定評があるのは「プジョー」あたりでしょうか。
これはAmazonでたまたま見つけたもので、片手で右のグリップを握るとこしょうが削られて出てくるという仕掛けになっています。
(調べてみましたが、同じものは見つかりませんでした)
上のふたを開けて粒こしょうを入れるようになっています。
すごく便利です。
もし壊れたら、困っちゃうなぁ。
⑥木杓子
民芸品を扱うお店でよく売られているこの木杓子、囲炉裏にかかった鍋に添えられている風景が目に浮かびます。
見た目だけだろ~雰囲気だけだろ~と思いきや、実はとっても実用的なんです。
カーブが浅いので、お玉のように汁物をたっぷりすくうことはできませんが、煮物をすくうときに本領を発揮してくれます。
木製でなおかつすくう部分に厚みがあるのであたりが柔らかく、崩れやすい芋やかぼちゃの煮物などがきれいにすくえるのです。
このことに気づいたときは、ちょっと感動してしまいましたよ。
日本の道具なんだなーとしみじみ感じ入りました。
わたしは、炒め物のときも使うことがあります。
中華お玉のかわりです。
あと、全体が木なので熱くならないのもいいところ。
木から削り出して作っていて継ぎ目がいっさいないので、洗うのも楽です。
東北や飛騨・木曽といった林業がさかんな地域で、今も職人さんが手作りでこしらえています。
……まだまだあるので、後編に続きます!