一汁一菜でよいという実践

信州のめぐる四季のなかで食と食まわりを坦々と記録する日々。余裕のない日は一汁一菜以下、そうでない日はそれなりに。

わが名作レシピ 2016-2017 vol.2

この1年間の名作レシピ(当社比)を振り返る企画、夏にうつります。

 

 

夏は、いろんな方から自家製野菜をいただきました。

特に、おとなりの90歳を過ぎてなお畑に出ているおじいちゃんからは、なす、トマト、きゅうりをたびたびいただきました。

すごくおいしい野菜を作られるんですよ。

 

 

反対側のおとなりさんからは、夕顔の実をいただきました。

台所から見えるおとなりの庭に、巨大なへちまのような実がなっていて、なんだろう? と思っていたら夕顔の実でした。

食べ方は冬瓜とほぼ同じです。

みそ汁の実としても活躍してくれました。

 

 

 

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●夏野菜の揚げ浸し

わたしがいちばん好きな夏の料理は、なすの揚げ浸しです。

作るときは、これでもかとたくさん作ります。

作りたてもよし、だしがしみてトロトロになったのもたまりません。

 

作っているときもわくわくします。
なすに切れ目を入れるのも、封を切ったばかりの油で揚げるのも、なんだかとってもいいんです。

 

そうめんに添えたら立派なごちそうになります。

 

 

 

 

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●なすの西安(手前)

また、なすです。

なす大好きです。

この西安風は友人AさんがFacebookで紹介していたレシピです。

Aさんのお母様が当地を旅したときに習得したレシピだとか。

片栗粉をまぶして揚げたなすに、にんにく、しょうが、長ねぎ、山椒、塩を炒めたものをたっぷりとからめます。

大量のなすがあっという間におなかにおさまります。

 

右上は冬瓜か夕顔の実、厚揚げ、オクラをだしで炊いたものです。
夏らしい煮ものです。
冷やしてもおいしいですよ。

 

あとは、間引きにんじんのロースト(黄色いのはなたね油です)、トマト、イカの刺身ですね。

 

 

 

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●牛すじ肉とトマトの麺

牛すじは見つけると買って、まとめて煮ておきます。
いったんゆでこぼして、調理ばさみで切って、柔らかくなるまで煮るので少し手間ですが、スープも身もかなり使えます。

中国料理に牛肉とトマトの麺というのがあって、そのイメージで作りました。
味付けは、白たまりと塩がメインだったかな。

 

麺は、このときは中華麺ではなくそうめんを流用していたかもしれません。

ゆでて刻んだオクラ、焼きなすも入れています。

 

ちなみに、焼きなすとゆでたそうめんをみそ汁に入れると最高ですよ。

祖母がよく夏に作ってくれた思い出の味です。

 

 

 

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●芽子にんにくと豚肉のしゃぶしゃぶ

青木村在住の友人H夫妻は、芽子にんにくという野菜を作っています。
発芽したにんにくですね。
青木村の新名物として絶賛売り出し中です。

 

これがまた、とってもおいしいんです。
そのままてんぷらでもいいんですが、豚肉との相性がばつぐんです。

 

韓国料理のお店で、山にんにくの葉の醤油漬けと、蒸した豚肩ロースを葉野菜や漬物でくるんで食べる料理があって、大好物なんですけれども、それをほうふつとさせる味です。

 

レタスもこのしゃぶしゃぶに合いますね。
こちらはレタスの産地が近くて新鮮なので、味がぜんぜん違います。

 

って、しょっちゅうレタスのおいしさについて語っているな。
いや、それほど衝撃だったんですよ。
かつて、レタスをこんなにおいしいと思って食べたことはなかったですから……。

 

 

 

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●ピーマンと玉ねぎのあんかけ焼きそば

これは思いつきの即席料理ですね。

 

焼きそばの麺だけ先に中華鍋で焼いて皿に移します。
ところどころ茶色くなるように、あまりいじらずに焼きます。
そうすると、食感と味にアクセントがつきますよ。

 

ピーマンと玉ねぎを炒めて、うーん、干しエビと干し貝柱も入れたかな? 肉っ気はなかったような。あんまりよく覚えていませんが、塩味ベースで最後に片栗粉でとろみをつけた記憶が。これを麺にのっけて食べます。

 

お酢と練りからしを添えるとばっちりです。

 

 

 

……今年はなかなか暑くならなくて、食卓にも夏野菜はまだあまり登場していません。

 

ここ数日でようやく暑くなってきたので、もう少ししたら直売所に地物が並ぶでしょう。

 

こちらの夏は短いので、しっかり楽しみたいと思います。

 

 

いとしの香港家庭料理 2017.6.20

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朝ごはん

・ごはん

・みそ汁(グリーンボール、油揚げ)

かつおたたきのヅケ

・朝ごはんセット

・ほうじ茶

 

 

 

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昼ごはん

・素ラーメン

・水餃子&ゆでグリーンボール

・アスパラガスと新玉ねぎのフリッタータ(昨日の残り)

・冷やごはん(朝の残り)

 

 

 

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夕ごはん

・ごはん

・我流「咸魚蒸肉餅(ハムユイツォンヨッペン)」

・春雨とえびの和え物

・ゆでブロッコリー オイスターソースがけ

 

 

 

……あれ? 料理がんばってる?

 

 

うーん、おかしい。

そんなつもりはないのに。

 

 

朝はまあ、いつも通りです。

あ、かつおたたきのヅケはとってもおいしかったです。

お刺身が余ったら、ヅケにするのをおすすめします。

(白身のときは白醤油や白たまりがおすすめ)

 

 

昼は、餃子は前に作って余った分を冷凍していたものです。

グリーンボールは朝のみそ汁用に昨晩切っておいたものの余り。

ラーメンのスープは冷凍のとりがらスープにしょっつる、白たまり、ごま油。

グリーンボール → 餃子 → 中華麺と同じお湯でゆでています。

豪華に見えますが、手数は少なくて済んでいますね。

 

 

夕ごはんは、消費期限が大幅に過ぎた生協の豚ひき肉(自己責任)で久しぶりに香港の家庭料理「咸魚蒸肉餅」を作りたく。

 

 

「咸魚(ハムユイ)」は香港の干し魚です。

日本では「くさやみたいなもの」と形容されますが、うーん、くさやほどの臭みではないんです。

 

本場では、豚ひき肉と調味料を合わせて皿に薄べったくはりつけ、咸魚の切り身をのっけて蒸します。

 

日本ではまず咸魚は手に入らないので、上海料理の本をヒントに、ほぐした塩鮭で代用しています。

 

 

今日は、紅鮭を使うのも惜しくて(ケチ)、かなり我流のレシピをひねり出しました。

 

豚にひき肉、みじん切りの玉ねぎ・紅しょうが、しょっつる、醤油、砂糖、黒こしょう、ごま油、酒

 

これをよく混ぜて皿にはりつけます。

 

しょっつるが咸魚っぽさを醸し出してくれて、これでも十分それらしいものになりました。

 

 

サラダは、タイ風の春雨サラダをイメージしました。

冷凍庫で眠っていたむきえび、乾物コーナーで放置されていた春雨・きくらげ、にんじん、夫の畑でとれた極小ラディッシュ、ちょっとだけ残っていたパクチー、小ねぎでそれらしきものが。

味付けは、シークヮーサーしょっつる、砂糖、白たまり、ごま油

 

 

夕ごはんも、中華鍋にお湯をわかして

 

・春雨 → にんじん、ラディッシュ、きくらげ → ブロッコリー → むきえび

をゆでて

・せいろをのせて咸魚蒸肉餅を蒸す

 

と省力化。

 

中国の家庭では中華鍋ひとつでいろんな料理をササッとつくるそうで(今となってはけっこう年配の方かしら?)、いかにも料理上手という感じで、ひそかに憧れています。

 

 

全体的にエスニック風だったので子どもにはどうかなー? と思っていましたが、どれも好評でした。

 

 

ごちそうさまでした。

 

 

明日もごはんがおいしく食べられますように。

 

 

 

初がつお 2017.6.19

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朝ごはん

・ミルクティー

写真:過日の写真を拝借して加工。

 

 

 

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昼ごはん

・ごはん(朝の残り)

・みそ汁(淡竹・豆腐/朝の残り)

ホイコーロー

・サラダカブのえごま和え(おとといの残り)

・新玉ねぎのポットロースト(おとといの残り)

 

 

 

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夕ごはん

・ごはん

かつおたたき(灰干しわかめ添え)

・アスパラガスと新玉ねぎのフリッタータ

・冷奴

 

 

 

……あれ? 一汁一菜じゃないのが続いている。

 

 

料理しています。

 

 

今回はかなりきちんと養生をしたので、野菜の持ちがよく、料理のモチベーションが保たれているようです。

 

 

ただ、よくよく見ると「昨日の残り」と書かれているものがほとんどだったりで、毎食イチから作っているわけではありませんよ。

 

 

朝はミルクティーが飲みたくて、朝ごはんは作ったもののわたしはパスしました。

昨日、淡竹を下茹でしておいたので、穂先をみそ汁にしました。

 

 

昼は、グリーンボールとにら、豚バラ肉の切り落としでホイコーローです。

黒大豆味噌とみりんを合わせて、豆鼓や甜麺醤的な味を狙います。

 

 

今回は生から炒めましたが、面倒でも野菜はいったん湯通しすると仕上がりが違います。

調味料を火でなじませるだけなので、中華鍋内の滞在時間が格段に短縮でき、水っぽくならないのです。

 

 

夜はまたまたワンプレート。

 

かつおのたたき(冷凍)は、今年はじめて食卓にあがります。
東京に出るまで食べる習慣がなかったのですが、今ではこの独特の血の味といいますか、好きで初夏から秋にかけてときどき食べます。

 

 

フリッタータは、スキレットで作るとふんわりした仕上がりになります。

 

サラダカブはさらに水っぽくなっていましたが、残すのはしのびないので完食しました。

新玉ねぎのポットローストは、焦げた部分がごちそう。オリーブオイルをたっぷり使っているので、焦げといってもカラメル風で香ばしいのです。皮つきのまま入れたにんにくもいい味出しています。

 

 

残ったかつおのたたきは醤油でヅケにして、明日の朝のお楽しみに。

 

 

 

ごちそうさまでした。

 

 

明日もごはんがおいしく食べられますように。

 

 

 

 

 

デニーズでモーニング 2016.6.18

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朝ごはん

デニーズにてモーニング

・焼鮭朝食(納豆付き)

・コーヒー

写真:デニーズ公式ホームページより

 

 

 

昼ごはん

・焼き菓子

・トマト

 

 

 

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夕ごはん

・ごはん

・焼き肉(昨日の残り)

・新玉ねぎのポットロースト(昨日の残り)

・サラダカブのえごま和え(昨日の残り)

・焼きアスパラガス(昨日の残り)

ノンアルコールビール(ヴェリタスブロイ)

 

 

 

……17日の夜から1泊、ちょっとした事情で子ども3人と車中泊することになりました。
デリカだと4人はきついですね。
車中泊車中泊で楽しいので、シートアレンジなどもうちょっと研究したいです。

 

 

それで、朝は久しぶりにデニーズに。
長男は目玉焼きにパンケーキ、メロンソーダ。
双子は朝から「めんめん!(麺)」というのでミートソーススパゲッティを注文しました。

 

 

双子がレジそばのおもちゃにくぎづけになってしまい、ひきはがすのに一苦労。
前は大して興味を持たなかったのに、これも成長か。

 

 

商売上手と言えば聞こえはよいが、この陳列は本当に困る……。

年単位でファミレスへの出入りは当分無理と悟るのでした。

 

 

昼は家でいただいた焼き菓子や(例によって)トマトを食べていたら、ちゃんとしたお昼を食べないまま外へ。

 

 

外出先で、たくさんのお菓子をいただいて、特に双子は目を輝かせて堪能しておりましたよ。

初めてのこんにゃくゼリー、初めてのアルフォート、初めてのハッピーターンと、いろいろ初体験でした。

 

 

夜は昨日の残り物でワンプレートに。

 

 

サラダカブも出し忘れた一品。

水っぽくなっていて、できたてより味が落ちる感じに。

サラダカブと柑橘(シークヮーサー)のすっきり感と、えごまの香りとこくのコントラストがよかったのに、そこが混然一体となってしまうといまひとつなのだなー、と学習しました。

 

 

ごちそうさまでした。

 

 

 

バーベキューシーズン到来! 2017.6.17

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朝ごはん

・ごはん

・みそ汁(グリーンボール、間引き大根、かぶの葉)

・朝ごはんセット

・ミルクティー

 

 

 

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昼ごはん

友人K一家来訪で縁側バーベキュー

・牛カッパ、トントロ、鶏ササミ

・焼き野菜(アスパラガス、しいたけ)

・生野菜(レタス、大葉、ミニトマトスナップエンドウ

・夫作の自家製ハム

・ポットロースト新たまねぎ

・ピール&ノンアルコールビール

 

 

 

夕ごはん

なし

 

 

……ブログ開始からほぼ毎日更新していましたが、今週末はちょっとお休みしていました。

 

 

暖かくなってきたので、いよいよバーベキューシーズンが到来です。

 

 

こちらではバーベキューへのハードルはかなり低いようで、しょっちゅうあちこちでやっています。

 

 

昨年の夏は、ほぼ毎週末バーベキューをやっていました。

 

 

うちは、縁側を食べるスペース、掃き出し窓の外を焼くスペースとおおまかに分けています。

子どもが小さいのでこのようにしていますが、今後は外でも食べられるように、いろいろ仕込んでいきたいですね。

 

 

長方形の七輪&炭を使います。

炭は夫が炭焼きの会で入手したものです。

 

 

焼くものはだいたい毎度同じ。

肉は下味をつけて、そのまま焼いて食べる方式です。

 

 

・牛肉はいかにも焼き肉っぽく → にんにく醤油、砂糖、焼酎、ごま油、いりごま

・トントロはさわやかに → 塩、オリーブオイル、柑橘の汁

・鶏ササミはしっとり → 塩麹(なければ甘酒+白たまり)、なたね油、日本酒

 

 

だいたいこんな味付けで、そのときあるもので適宜調整します。

 

 

牛豚のあいびき、もしくは牛ひき肉でケバブ風の串を作ることも。

クミン、オリーブオイル、パン粉、塩などで味付けして、割りばしにきりたんぽ状にくっつけて焼きます。

これもかなりイケます。

 

 

野菜は季節のものを適当に。

しいたけは袋から出して一晩おいていたら乾燥してしまい、あっという間に焦げてしまいました。無念。

 

 

新玉ねぎのポットローストは、食べ忘れてしまいました。

 

 

炭水化物は木まま屋さんのパンでと考えていましたが、バーベキュー前に夫と双子たちが爆食し、肝心のバーベキューのときには出し忘れ。

 

 

久しぶりだったせいか、わたしのオペレーションがいまひとつでした。

 

 

夜はおなかいっぱいで抜きました。

子どもたちは適当にパンをつまんでいました。

 

 

ごちそうさまでした。

 

 

野菜の小さいおかず 2017.6.16

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朝ごはん

・ごはん

・みそ汁(グリーンボール、油揚げ)

・朝ごはんセット

・ほうじ茶

 

 

 

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昼ごはん

・昨夜の煮込み&全粒粉クスクス

・蒸しカリフラワー

 

 

 

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夕ごはん

・ごはん

・たらこ豆腐(冷バージョン)

・ピーマンとじゃこの炒め

・つる菜のえごま和え

・蒸しにんじん&カリフラワー

 

 

 

……ぴちぴちの野菜が食べたい。

 

 

朝のみそ汁のグリーンボールは、昨夜のうちに切っておきました。

油揚げは冷凍してあったものを手でちぎり入れ。

 

 

午前中は、ひさしぶりにがっつり買い出しに行きました。

夏が近づいて直売所の売り場がにぎわっている今、食べたい野菜がいろいろあるのです。

 

 

こちらで暮らすようになって、野菜は鮮度でこんなにも違うのかと驚かされてばかりです。

わたしたちは、栄養を摂っているんじゃなくて、生命力を取り込んでいるのかもしれない、と感じます。

 

 

たくさん買って帰ったら、養生や下ごしらえをして冷蔵庫におさめます。

面倒っちゃ面倒なんですけれど、ここでひとがんばりするか否かで、数日後が違ってきます。

 

 

なるべく鮮度を保ってあげれば、食べきることも苦ではなくなります。

野菜室から取り出した野菜がしなびているとテンション下がりますよね……。

肉や魚は下味をつけておけば、よりおいしくなるし、すぐに調理にかかれます。

 

買い出しに行くときは、この時間をなるべく確保するようにしています。

 

 

さて昨夜の残りが昼のお題です。

パスタは重い……ごはんでもいいけどもうひと押し……お、食材ストックにクスクスが残っていたな。

 

これがバッチリ。

本場モロッコにはこういう料理はないと思われますが、非常にそれっぽくなりました。

 

鮮度が落ちやすいカリフラワーは蒸して、オリーブオイルと塩で。

 

 

夜は、野菜メインでいこうと決めていました。

 

 

が、作っている最中に、三男がいつの間にかコーヒーサーバーで遊んでいて割ってしまうという惨事が。

 

 

なんだか疲れてしまい、わたしは夕ごはんはパス。

(結局、おかずだけ少しつまみましたが)

 

 

わたしの料理は、主菜をドンが多いです。

そして野菜はゆでただけ、蒸しただけで添える。

 

 

今日みたいに、副菜的なおかずをちょこちょこと、全体的に野菜メインでというのがあまり得意ではなく。

常備菜も食べ飽きるのか持て余してしまいます。

 

 

とはいえ、今のわがやの課題は「減肉」

 

 

肉への偏愛をあれほど書いておいてナンですけれど、やはり肉を買うと食費が跳ね上がるんですよね。

双子も量を食べるようになってきて、肉そのものをドンと食べるようなメニューだとキツいです。

(牛カッパは別よ。タダでいただいておりますので……)

 

 

たとえば、海南鶏飯シンガポールチキンライス)なんかだと、鶏もも肉が3枚は必要です。

肉だけで800~1000円近くかかってしまいます。

 

 

そんなわけで、野菜メインにシフトチェンジすることが今、求められているわけです。

直売所で売っている野菜が相対的に安いからできることですがね。

 

 

ごちそうさまでした。

(今日は満腹じゃないぞ)

 

 

明日もごはんがおいしく食べられますように。

 

 

 

 

 

肉屋になりたい

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上:『うちは精肉店』写真・文:本橋成一解放出版社)。フォトグラファーの本橋さんは『屠場』という写真集も出しています。モノクロで屠畜場を撮影しています。

 

 

肉屋になりたい、と夢想していた時期があります。

 

 

精肉と自家製の肉加工食品を売るお店です。

 

 

鶏、豚、牛だけでなく、鹿やいのしし、熊の肉なんかも扱いたいですね。

 

 

日本での牛肉の等級のつけ方は「歩留まり等級」「肉質等級」に分けられるそうです。

よく「A5」が最高ランクと言われますが、「A」が歩留まり等級、「5」が肉質等級をあらわしています。

 

歩留まり等級はその名の通り、同じ体重の牛を比べたときに、より多く肉がとれるほうを良しとします。

 

肉質等級は「脂肪交雑」「肉の色沢」「肉のしまりときめ」「脂肪の色沢と質」の4点で評価されます。

「脂肪交雑」は「サシ」の入り具合ですね。

 

 

どういうエサやどういう環境で育ったかは評価されません。

エサや環境は肉質にあらわれる、という考え方なのでしょう。

 

 

魚介なら「天然」と「養殖」と選べます。

野菜なら「自然栽培」「有機栽培」「慣行栽培」と選べます。

精肉は「●●牛」、「並」「上」「特上」、「国産」「外国産」という選び方になります。

 

わたしは、肉の歩留まりやサシの入り具合より、どういうエサやどういう環境で育ったのかが気になります。

そういうところにこだわって肉を並べる精肉店があってもいいんじゃないかなー、と。

 

というか、わたしが肉が好きなので、そういう肉を食べたいということが一番大きいですかね。

 

 

あとは、家畜を解体していく作業が、すごくかっこいいこともあります。

 

 

前の仕事で『絵本 いのちをいただく』(講談社)という絵本を担当しました。

熊本県で食肉解体のお仕事をされていた坂本義喜さんの実体験をもとにした絵本です。

 

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同時期に写真絵本として出て、ドキュメンタリー映画にもなった『うちは精肉店』(農文協)も素晴らしかったです。

感動して、大阪の北出精肉店に電話してお肉を注文してしまいました。

 

 

食肉解体は、一朝一夕では習得できない職人技が詰まったすばらしい仕事です。

 

 

作家・佐川光晴さんが実体験を書いた『牛を屠(ほふ)る』(解放出版社)を読むと、そこらへんが非常によく伝わってきます。

 

 

わたしが幼いときに見た、肉屋のバックヤードに大きな枝肉がぶらさがる光景は、今は珍しくなっているのかもしれません。

今は、部位ごとに真空パック詰めされているものを卸で扱っていて、小売店はそれを買うそうです。

東京でよく愛用していた肉屋さんがそう言っていました。

 

 

「牛すね肉をそのままください」というと「日山」という有名な精肉卸・小売会社の名前が入った真空パック詰めを渡されていたのを思い出します。

 

真空パック詰めは扱いやすいですが、外に出た血が肉に密着した状態が続くのであまりよくないんだ、という方もいました。 

 

 

牛、馬、豚、やぎ、羊は指定の屠畜場で屠畜しなければならないと法律で決まっています。

食用に適しているかどうか検査をしなければならないからです。

 

 

にわとりやあひるについてはまた別の法律があります。

ただ、自家消費のために家でにわとりを絞めてさばくのなんかは、問題ありません。

 

 

うちも以前、よそのお宅でにわとりを絞めるのを体験させてもらいました。

 

羽をむしるとものすごい量になるんです。

 

そして、身は引き締まっていて筋肉質。

 

肉の量はかなり少ないです。

ブロイラーは肉を最大限とれるように改良された品種だというのがよくわかりました。

 

 

肉食については、賛否両論ありますね。

 

 

わたしは、自分の味覚の原点に肉が刻印されているので、食べないという選択肢はありません。

 

 

母の実家のおとなりが精肉店だったので、肉をよく食べていました。

(海沿いの町で、祖父の晩酌用に魚も毎日のように食卓にあがっていましたが)

 

 

母は幼いころ、おやつとして、ゆでた牛テールにウスターソースをかけたものを食べていたそうです。

 

 

焼き肉屋さんに行けば、カルビ、タン、ミノ、センマイ、ホルモン(大腸)を食べます。

ロースをはじめて食べたのは18で東京に出てきてからです。

今でもロースにはあまり食指が動きません。

鮮度と質のよい内臓のほうがうれしいですね。

 

 

鶏肉もよく食べました。

硬いけど味が濃いもも肉(親鳥)を炭火で焼いたものが大好物でしたね。

大分県は、鶏肉の消費量が全国一だそうです。

 

 

おっと、肉について語りだすと止まりません。

 

 

先ほどあげた絵本2冊の、それぞれの主人公である坂本さんと北出さんが、8月2日に京都で対談&肉をさばく実演をされます。

 

わたしにとっては、夢のタッグです。

 

 

長男と行ってくる予定です。 

これはまた、後日レポートをあげますね。

 

 

お楽しみに。

 

 

まぼろしの「カッパ肉」

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写真:カッパを広げたところ。全貌は見たことがありませんが、うちで入手しているものはだいたい大きな三角形をしています。

 

 

 

うちの食卓には「カッパ」という肉が登場します。

 

 

牛の前腹の皮と脂身の間にある膜のようなスジ肉です。

雨合羽を広げたみたいなかたちから、この名がついたそうです。

 

 

うすべったくて、片側に脂がついています。

肉の太い繊維がはっきりわかります。

 

 

 

母の実家のおとなりは肉屋さんでした。

牛の枝肉がぶらさがっていた光景を覚えています。

 

 

祖母がよくこのカッパを買ってきて、丸のまま網で塩焼きにして(中はミディアム)、スライスして食べさせてくれました。

 

 

噛みごたえがあって、赤身のうまみが濃厚に感じられます。

わたしたちきょうだいは、この肉が大好きでした。

 

 

肉の名称を知ったのは5年ほど前です。

それまでは、名前があることすら気づかなかったほどで……久しぶりに思い出して「食べたいナ」となってはじめて、「あれ? 牛肉だと思うんだけど、どこの部位だろ?」と名前を調べた次第です。

 

 

青木村でカッパを食べられるようになったのは、あるお店のおかげでした。

 

 

上田の某スーパー。

ここは、直売所の規模も質も、ここいら界隈では随一なのではないでしょうか。

新鮮な地物野菜を買いたいときは、ここ一択です。

 

 

野菜だけでなく、精肉もいいものをそろえているので、いちど、精肉担当の方に「カッパという部位はありますか?」と尋ねてみました。

 

 

「ある」と言うではないですか。

 

 

しかも「売り物にならない部分だから、タダで譲りますよ」とのこと。

 

 

タダはいくらなんでも心苦しいし、わたしの座右の銘「タダより高いものはない」なので、

「いや、お金は取ってください。これからも食べたいので」と言っても、

「捨てる部位ですから、値段のつけようがないんです」とのこと。

 

 

「こんなにおいしいのに、捨てちゃうんだ……」と複雑な気持ちになりましたが、ありがたくいただくことに。

 

 

それからは、冷凍保存してくれたものをときどきいただいて帰るのを繰り返しています。

 

 

そんなわけで、冷凍カッパ肉がわがやの冷凍庫には大量に入っています。

 

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 写真:右のビニール袋に入っているのがすべて「カッパ」。6~7個はある? このほかに冷蔵庫で解凍中のものが2個。

 

 

上田地域ではかえりみられることのないカッパですが、南信では煮込みにして食べるのだそうです。

 

 

たくさんあるので、調理法をいろいろ試しているところです。

 

 

・塩豚ならぬ塩カッパにしてみる → スープ、ゆで肉に展開

・味付け肉にする → 煮込み、カレーなど

 

 

小さく切って煮込めば、そこそこ軟らかくなることもわかりました。

 

 

牛すね肉より硬いんです。

肉の繊維の間に細かくスジが入り込んでいる感じで。

でも、焼いても食べられるのだから、すねより使えるかもしれません。

 

 

これからやってみたいのは、コンビーフ的な加工肉か、干し肉ですね。

 

 

精肉にはとても興味があって、肉屋になろうかと思ったこともありました。

 

 

というわけで、肉屋の話に続きます。 

 

 

わが名作レシピ 2016-2017 vol.1

昨年一年間のハレの日の献立を振り返ったら、昨年一年間の「これは!」という名作レシピ(注:当社比)も振り返ってみたくなりました。

 

昨年は3月に移住して、当地の新鮮ぴちぴちの野菜にインスパイアされ、料理もずいぶんいきいきしていた気がします。

 

はりきっていましたねー。

 

そんなわけで、何回かに分けてお送りします。

 

 

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●朝採れのアスパラガス

こちらに来て知り合った画家のYさんは、真田町にお住まいです。

近所の方が育てたアスパラガスを、ブーケのように束ねてお土産で持ってきてくれました。

 

・すごく太い!

・しかもこんなたくさん!

・そして朝採れ!

 

これだけで、移住した甲斐があるというものです。

2016年に食べたもので、いちばんインパクトあったなー。

焼いたのとフライ、どちらもしびれましたね。

 

 

 

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●ちらし寿司

まあ、見た目はなんてことない地味なちらし寿司なんですけどね。

都会だと高くてたくさんは使えない具材が入っているのですよ。

 

「木の芽」と「グリーンピース」です。

 

グリーンピースは冷凍を使えば大したお値段にはなりませんが、さやつきのやつですからね。

ぴんぴん加減が違います。

 

 

 

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●ミルクスープ

ホワイトシチューも好きなんですが、牛乳でさらっと仕立てたスープはもっと好き。

ここでもグリーンピースを惜しげもなく使っています。

鶏むね肉とベビーホタテがいい仕事をしています。

野菜の甘みがよく溶けだしていて、すするとほっとします。

 

 

 

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●淡竹(はちく)の和え蕎麦

こちらでは、孟宗竹ではなく淡竹をよく見かけます。

どっしりくんな孟宗竹とくらべて、淡竹は細長さんです。

 

初夏、ご近居のKさんがとれたてを米ぬかといっしょにどっさりくれました。

あく抜きして切って冷凍し、しばらく楽しめましたよ。

 

解凍した淡竹をごま油で炒め、醤油で味付けしたものを、ゆでて冷水でしめた蕎麦、花椒と和えます。

 

淡竹のマイベストレシピです。

 

 

 

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●中華鍋カレー

このときはお昼用にささっと作って食べたいということで、中華鍋で作ったんでした。

キャベツ、トマトが入っているのな?

野菜をとにかくたくさん入れた記憶が。

何風とも言えない、こういうカレーもいいですね。

いや、カレーは懐が深いということですね。

 

 

お次は、夏の名作レシピをご紹介します。

 

 

ううむ、腹が鳴るな。

やる気のないときの「プランB」

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写真:焼きそばってなんでこんなにおいしいんだろう。家で作ってもおいしいし、屋台や海の家のも最高だよな。

 

 

 

日に三度、来る日も来る日も料理を作るのは、ほんとうにたいへんなことだなぁ……と実感しています。

 

 

だからこそ土井先生の『一汁一菜でよいという提案』が共感を呼んでいるわけで。

 

 

わたしはあるときから、やる気がおきないとき、しんどいとき、手をかけられないときのための「プランB」を意識して用意するようになりました。

 

 

余裕のないときに「おなかすいた~」とピーチクパーチクせっつかれながら料理をつくるのは、気持ちがすさみますよね。

 

 

インドには「悪想念に支配されているときは台所に立つな」という格言があるとかないとか。

 

 

なるべくなら、イライラカリカリしないで台所に立ちたいものです。

 

 

「プランB」にふさわしいのは、

 

・作るのも、食べるのも、片付けるのも簡単

・ワンプレート

・食べるみんながわりと好き

 

といった条件を満たす料理でしょうか。

 

 

というわけで、うちでは

 

・パスタ

・焼きそば

・チャーハン

・とん汁

・宴会

 

が「プランB」です。

 

 

人によって最低ラインはさまざまですが、わがやにおける「プランB」の最低ラインは以下の通り。

 

・パスタは、玉ねぎとにんにくとトマト缶があればOK。

・焼きそばは、冷凍した豚小間と玉ねぎ、キャベツ(か葉野菜)があればOK。

・チャーハンは、醤油とかつおぶしがあればOK。

・とん汁は、豚小間と根菜が1種あればOK。大根と人参があれば、誰も文句は言わないでしょう。大量につくって翌朝以降もカバーします。

・宴会は……ようは、スナック菓子やおつまみです。ときどきやると楽しいですよ。

 

 

おとなだけならば、パスタはたらこだけ、卵だけ、にんにくだけ、チーズだけでもいいですね。

 

焼きそばも、醤油とオイスターソースで具なしもイケます。

酒のつまみっぽくなりますが……。

 

 

「プランB」から展開メニューも可能です。

パスタは多めにつくってわざと余らせて、翌日に溶き卵と焼いてオムレツ風に。

焼きそばでやってもいいですね。

卵は万能だなー。

 

 

パンにはさむだけでもいいな。

 

 

もちろん、ごはんとみそ汁だけでじゅうぶん「プランB」になります。

 

 

一汁一菜は最強です。

 

 

料理が得意でない人も、手を抜きたい人も、ままならない人も、ていねいに暮らしたい人も、健康的に食べたい人も、ダイエットしたい人も、小さな子どもがいる人も、献立に悩む人も、みーんな一汁一菜でだいたい問題解決。

 

 

すごいねー。